無痛分娩とは、麻酔で分娩時の痛みを和らげる方法です。硬膜外麻酔または脊椎麻酔を施行します。当院では安全性を高めるため、JALA認定を取得した医師が中心となり、外部専門家の定期指導のもとで無痛分娩を提供しています。

当院では「硬膜外麻酔(硬膜外鎮痛)」を使用して無痛分娩を行っています。
(症例によっては脊椎麻酔を使用します)

硬膜外麻酔(アナペインを使用)
背骨のそばにある「硬膜外腔」という場所に、細くて柔らかい管(カテーテル)を挿入し、そこから少量の麻酔薬を注入します。お腹から下の痛みを和らげますが、意識はしっかりしています。子宮の収縮(陣痛)も感じる程度の浅い麻酔のため、赤ちゃんへの影響もありません。
麻酔がうまく効いた場合、痛みを10とすると 0〜2 程度まで軽減できます。眠る麻酔ではないため、ご出産後すぐに赤ちゃんと対面していただけます。

脊椎麻酔(マーカインを使用)
硬膜外麻酔では間に合わない場合、効かなかった場合、脊椎麻酔とし、脊髄腔に薬液を注入します。
5分ほどで効いてきますが効果が1時間前後なので使用する状況は限られます。
当院では2つの方法で無痛分娩を行っています。
計画無痛分娩
日程を決めてお産を行う方法です。経産婦の方や、あらかじめご主人・ご家族と予定を合わせたい方におすすめです。妊娠37〜39週に実施します。計画日前に自然陣発・破水などで入院となった場合も対応可能です。
自然無痛分娩
陣痛・破水後にご入院いただき、お産の状況に合わせて医師が麻酔開始時期を判断します。自然な流れのなかで痛みを和らげたい方に選ばれています。(分娩は計画よりもスムーズに進行します)

| ⚠ 注意:以下の場合は無痛分娩に対応できないことがあります 分娩の進行が著しく早い場合 / 母子になんらかの異常が見られた場合 / 医師が安全上の理由から不適と判断した場合 / 同日に予約が重なり麻酔担当医師が対応できない場合 |
無痛分娩には多くのメリットがある一方、デメリット(リスク)もあります。妊婦さまが適切な選択ができるよう、両方の情報を正確にお伝えします。
| ✓ | 分娩時の痛みを大幅に軽減できます(麻酔が十分に効いた場合、痛みを0〜2割程度まで軽減) |
|---|---|
| ✓ | お産の疲労が軽減されるため、産後の回復が早くなる傾向があります |
| ✓ | 計画無痛分娩の場合、あらかじめ出産日程を調整できます |
| ✓ | 麻酔は微量のため、産まれるお子さまへの影響はありません |
| ✓ | 意識はしっかりしているため、誕生の瞬間をしっかり感じながらお産に臨めます |
| 比較的多いもの | 麻酔により陣痛が弱まり、お産が長引く可能性があります。鉗子分娩・吸引分娩になる割合が上昇することがあります(帝王切開の割合は変わりません)。また、麻酔の効き目に個人差があり、十分な鎮痛が得られない場合があります。 |
|---|---|
| 一時的に起こりうるもの | 尿意の消失 / 下半身の感覚低下 / 血圧の低下・それに伴う気分不快 |
| まれに起こりうるもの | 頭痛 / 神経損傷 / 感染 / 血腫 / アレルギー性ショック / 麻酔効果範囲の拡大による呼吸抑制 / 局所麻酔中毒 |
あらゆる治療にはリスクが伴います。当院では外部専門医の定期指導・毎月の症例検討会・急変対応訓練などを通じ、リスク軽減に継続的に取り組んでいます。詳しくは「06 安全管理」をご確認ください。
妊娠28〜30週頃の「後期スクリーニング+妊婦健診」までに、無痛分娩(計画・自然)のご希望を医師にお伝えください。
ご不明な点は外来・母親学級でスタッフに気軽にご相談ください。無痛分娩に興味のある方は、できるだけ早めに医師または助産師にお伝えいただけると、より丁寧なご案内が可能です。
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 無痛分娩(硬膜外麻酔) | 通常分娩費用+麻酔関連費用 | 詳細は外来にてご確認ください |
※ 正確な費用は患者さまの状況・プランにより異なります。外来またはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
10年以上の実績あり
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
|---|---|---|---|---|
| 総分娩件数 | 627件 | 632件 | 577件 | 636件 |
| 無痛分娩件数 | 138件 | 138件 | 139件 | 162件 |
| 無痛分娩割合 | 約22% | 約22% | 約24.1% | 約25.5% |
2026年6⽉の総分娩数:53件(うち帝王切開6件)
2026年6⽉の無痛分娩数:24件(経腟分娩の51%)
妊娠中から無痛希望:24名
当院の状況で無痛ができなかった数:0件
当初希望あったが陣発後希望なし:2件
当初希望なかったが分娩時急遽希望し施⾏:2件
⾃然陣痛を待つon demandと計画無痛を併⽤することで2026年6⽉は施⾏率100%でした。
| Q | 赤ちゃんへの影響はありますか? |
|---|---|
| A | 使用する麻酔薬(アナペイン)は非常に微量です。赤ちゃんへの影響はなく、出産後すぐに対面することができます。 |
| Q | お産が長引くことはありますか? |
|---|---|
| A | 麻酔の影響で陣痛が弱まり、分娩時間が長引く場合があります。その際は陣痛促進剤を使用することがあります。また、鉗子・吸引分娩になる割合が上昇する場合がありますが、帝王切開の割合は変わりません。 |
| Q | 計画日前に陣痛が来た場合はどうなりますか? |
|---|---|
| A | 計画日前にご入院となった場合でも対応可能です。その場合は「自然無痛分娩」として麻酔開始時期を医師が判断します。 |
| Q | 初産婦でも受けられますか? |
|---|---|
| A | はい、初産婦の方にも対応しています。詳しくは外来でご確認ください。 |
木村産科婦人科はJALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)が推進する無痛分娩診療体制情報公開事業に賛同しています。JALAのサイトでは当院の詳細な診療体制情報をご確認いただけます。
※ 本ページの情報は医療広告ガイドライン(2024年9月改正)に基づき作成しています。記載の実績は集計期間を含む実際のデータです。最新情報は外来にてご確認ください。